丹沢ドン会、名古木の棚田でフレイルチェック
2023年9月16日(土)、丹沢ドン会の定例活動日に名古木の棚田で、東京大学・イオン環境財団の共同研究「フレイル予防と里山活動」の実証調査を実施しました。東京大学・イオン環境財団に加えて秦野市高齢介護課・森林ふれあい課のみなさんが来場し、「フレイルとは何か、健康寿命の3要素」などについて解説の後、この日の参加者30名余りのドン会メンバーの「フレイル簡易チェック」です。
フレイルチェックの結果は、全部「青」の人が4名。これまでの調査からは考えられない比率だといいます。握力検査でも、男女ともに年齢を感じさせない数値が続出。ちなみに私は、右47、左40で、この年齢にしてはなかなかいい数値! と一安心。
詳細は東京大学チームのデータ解析・比較検討を待ちたいと思いますが、ドン会メンバーはこれまでのドン会活動の成果を実感しました。30年余の「里地・里山の保全・再生活動」により、かつて当たり前のように生息していた生き物たちが帰って来ました。同時に、名古木の3つの間である「時間・空間・仲間」を共有し、いい汗をかき楽しみながら、無農薬の米・野菜・小麦・そばづくり活動を通して安全・安心な食べものづくりを実践してきました。
図らずも「栄養・運動・社会参加」というフレイル予防の3要素を意識しないで実践してきたドン会活動が、人生百年時代の健康長寿のヒントになりそうです。「丹沢自然塾」の開催により、都市と農村を結び、子育て世代ファミリーの自然・農業体験により親と子のコミュニケーションを深め、シニア世代から、未来を担う子どもまでの世代間の循環を促したいと思います。丹沢山ろくの里山で自然循環と世代循環のネットワークが広がることを願っています。
クサカメ?発見
ドン会の定例活動日、倒伏した稲の刈り取りをしていた時、メンバーの一人がびっくりしたように声を上げました。
「カメがいるよー!」
名古木の棚田で活動してきた22年の間、一度も見なかったカメ。東海大学・慶應義塾大学の自然調査でも確認されていません。
とりあえずリヤカーのボックスに水を浅く入れ、甲羅干し用のブロックの片割れを入れ、そこにカメを入れました。
「クサカメかなあ~?」
とカメを飼ったことがあるというメンバー。
週明けに私が、「秦野市環境共生課に持ち込み対応してもらおう」ということに。
月曜日の午前、名古木の棚田でカメさんをバケツに移し替え、秦野市役所へ。
課長は「クサカメだとしても元はといえば外来種だからねえ。元々そこにいたものか誰かが持ち込んだのか、何とも言えないね。いずれにしてもこちらで対応します」
と一安心。
平日の名古木の棚田は、誰もいません。ノスリが2羽空高く舞い、シロサギが1羽田んぼの上を飛翔。
近くの保育園児たち20名ほどと散歩の途中で出会いました。
「こんにちわ~」の声がこだましました。
中日新聞しずおかに「ともちゃん地蔵」の記事
2023年8月16日更新の「中日新聞しずおか」のHPに「ともちゃん地蔵」の記事が掲載されました。小田原市の作家、故増田昭一さんの「満州の星くずと散った子供たちの遺書」に納められた「ともちゃんのおへそ」が題材です。
静岡県浜松市北区の県立森林公園の近くに「ともちゃん地蔵」は安置されています。浜松市在住の金井鳥見子さんが朝鮮半島から引き揚げてきたのは4歳の時。生きて日本に帰ることができなかった旧満州の難民収容所の戦争孤児たちの悲しみや平和への願いをこめた「ともちゃん地蔵」と現代のウクライナへの侵略戦争によって犠牲になっている子どもたちを重ね合わせて、この句は詠まれました。
「ともちゃんの 悲しみ癒えず ウクライナ」(金井鳥見子)
高知大学名誉教授の大野正夫さんは、増田昭一さんの教え子です。大野さんから「戦争孤児たちの想いは生き続けています。時を経て子どもたちの命を伝える本の持つ力に感動しています」とメールがありました。
編集者冥利に尽きる紙の本の波紋です。
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