相模湾の漁師・西山敏夫さんと筑摩書房創業者古田晃さんの交流
12月25日〈木〉お昼前、いつものように突然二宮町の漁師・西山敏夫さんがやってきました。年に2回、春と冬に相模湾で採れたワカメと昆布のお土産つきが恒例です。
西山さんは、中郡二宮町山西に在住の現役の漁師さんです。お付き合いが始まったのは、私が東京の出版社に勤めていたときからですから、もう25年以上、四半世紀になります。
西山さんは、次の社会を担う子どもたちに海の豊かさ、自然のめぐみや厳しさ、自然の大切さを知ってもらうために、地元二宮町、秦野市、横浜市の幼稚園児たちのところに出向いて、ワカメのカブを植え付ける体験教室を毎年開いています。
植えつけたワカメや昆布のカブは、相模湾で育ち、子どもたちはその現場を見に二宮の海岸へやってきます。ひげのおじいちゃんの話に子どもたちは目の色を変えて聞き入っているそうです。
この日も玄関先での立ち話でした。8月に開催した「夢工房20年の集い」では、西山さんに乾杯を。突然の指名にもかかわらず、身に余るお話とともに乾杯の音頭を声高らかにやっていただきました。
出版の話から、二宮町にゆかりの筑摩書房創業者の古田晃さんと西山さんの交流をうかがいました。古田さんは、1963年に東京都市ケ谷から二宮町へ転居されましたが、その際に文学全集など800点の書籍を町に寄贈されました。
それ以来、地元の人たちとの交流はつづき、とりわけ西山さんとのお付き合いは深く、古田さんが1973年に亡くなられてからも奥様との行き来は絶えることなく、奥様のボーイフレンドとも周囲から言われていたとか・・・。
その古田晃さんのミニ展示会が二宮町図書館で開催されているという話を西山さんからお聞きしました。その日の午後、小田原へ行く仕事のついでに展示会を見に行きました。
筑摩書房の創業に関わった臼井吉見さんや唐木順三さんの著作は、私が若かりしころ何冊も読んだことがあります。身近なところで日本の出版界の先駆者の一つである筑摩書房の創業者と西山さんとの交流に触れることができました。本の取り持つ奇縁に驚きました。
漁師の西山さんには、「相模湾の物語」をまとめてほしいとお願いしています。その物語には、未来の子どもたちへのメッセージがぎっしりと詰まっていることでしょう。
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