新潟「りゅーとぴあ」でミュージカル「大いなる遺産」鑑賞
12月21日(日)午後、新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」でミュージカル「大いなる遺産」を見ました。わざわざ新潟まで出かけたのは、キャストの一人に私の連れ合いの姉がいたからです。
りゅーとぴあ10周年記念ミュージカルは、すべての配役を一般公募した「オール新潟キャスト」でした。義姉は「年齢・体格は問わず」という募集要項に惹かれて応募したと言います。
多数の応募者の中から、1次・2次審査を通過したのは80名。途中、2名の脱落者が出ましたが、78名のキャストは6か月間の過酷な練習をしのぎきり、一つの作品世界を創り上げました。公演は12月17日から始まり、21日が楽日でした。
「大いなる遺産」は、『クリスマス・キャロル』で知られるイギリスの国民作家、チャールズ・ディケンズの作です。『りゅーとぴあマガジン』vol.14に次のように紹介されています。
「夢と希望、挫折と復讐、罪と救い、許しと愛、多彩で壮大な長編小説」を演出の栗田芳宏さんは「大胆なカットと再構築」をすることで、子どもたちにも楽しめるミュージカルにしたと言います。作曲は宮川彬良さん、作詞は岡本おさみさん、舞台監督はやまだてるお(モモ プランニング)さんでした。
900席の会場、3階の最後列中央の席から鑑賞しました。78名のキャストは、3時間の舞台空間が深く呼吸するように、ときに大きく激しく、ときにひそやかに動き続けました。
「地方演劇のレベルをはるかに超えた」と評されてきた、これまでのりゅーとぴあの自主制作ミュージカル「シャンポーの森で眠る」「ファデット」「家なき子」に次ぐ今回の「大いなる遺産」は、市民による芸術文化の広がりを示す出来事の一つであったのでしょう。
公演の後のカーテンコールに立つ78名のキャストの顔は、みな達成感に満ち溢れていました。大勢の観客も満ち足りた様子で、降り始めた雨の中を家路に急ぎました。
公演会終了後、義兄と私たち夫婦、長岡在住の義弟夫婦は新潟駅近くの居酒屋で義兄の「ご苦労さん会」をやっていました。6か月間の練習の送り迎えを義兄がやりとおしました。
そこにスタッフ・キャストの打ち上げを終えて合流した義姉。私たち夫婦からのワインのプレゼントに一仕事を終えた安堵感が漂います。何やら病みつきになりそうな・・・気配も。
多様な素材を配置し、構成し、そぎ落とし、まとめ上げる演出家の営みは、本づくりにおける編集者の仕事にも通じるものがありました。どのように全体としての物語性を創り上げ、メッセージを発信するのか、日々の編集にも生かせそうです。
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