横浜ベイシェラトン・ホテルで「生命の星・地球博物館」元学芸部長・高桑正敏さんの還暦と退官を祝う会
12月27日〈土〉夜、横浜ベイシェラトン・ホテルで、神奈川県立生命の星・地球博物館の元学芸部長「高桑正敏さんの還暦と退官を祝う会」が開催されました。総勢151名の参加者の大半は、昆虫やチョウ・蛾の研究仲間たちでした。
祝う会を呼びかけたのは、「華飲み会」世話人の苅部治紀さん他のメンバーです。高桑さんは、甲虫類のハナノミ科、中でもハナノミ族が研究テーマです。高桑さんの還暦と退官を祝う会が、「華飲み会」記念パーティーとと名づけられた所以です。
祝う会に先立って、『高桑正敏の解体虫書』という本が、この日の参加者と、祝う会には参加できないが記念出版の本は欲しいという人に送付されました。本は600部作成されたと聞きました。
高桑さんと私の出会いは、2002年4月、秦野市名古木の自然観察会の講師をお願いして以来です。
6~7年の間、耕作されていない名古木の棚田の周辺は草茫々で、足の踏み場もないほどの荒廃地でした。棚田を復元して伝統的な農村景観を再生するに先立って、名古木の自然環境の今を調べておきたいと、生命の星・地球博物館に高桑学芸部長を訪ねたのは、その年の2月のことです。
以来、季節を変えて年に3~4回、3年ほど自然観察・調査の講師をお願いしました。高桑さんは、ご自分の専門外の植物や水生生物の調査についても、博物館の他の学芸員(勝山さん・田中さん)や東海大学の北野忠さんに声をかけていただきました。
この写真は、祝う会にも参加されていた東海大学の北野忠さんに2006年7月に講師をお願いした復元棚田の水生生物の調査の様子です。
会は、神奈川県自然保護協会理事長・新堀豊彦さんの挨拶で始まり、高桑さんご本人、奥様のご挨拶、2人のお子さんによる花束贈呈と、仲睦まじい高桑ファミリィーらしい演出となりました。
新堀さんの挨拶に聞き入る高桑さんご夫妻です。
高桑さんは、「今この席にいるのは、虫仲間たち、学芸員のみなさま、支えてくれた妻のお蔭です」と神妙な挨拶。
2人のお子さんからの花束贈呈も微笑ましい。
乾杯の後は和やかに懇談です。
還暦祝いの赤いちゃんちゃんこ姿の高桑さん。
県立生命の星・地球博物館の田中学芸員もお子さんを連れて参加。「小田原ライブラリー」第2巻の『蝶とあるく箱根』(夢工房)の著者の白土信子さん、平塚博物館の元館長で、現在、神奈川大学特任教授の浜口哲一さんともしばし立ち話。
私はかつて出版社勤めをしていたころ、東京・銀座8丁目に通っていたことがあります。たまたま同じテーブルでお話した人の中に、同じビルに事務所があった資生堂の研究員であり、趣味で虫を追いかけている針谷毅さんから虫の世界のさまざまな人模様についてお話を伺いました。
生物の多様性が叫ばれているいま、虫観的な地を這うような視点と、全体を俯瞰する鳥瞰的な視点の複眼思考が必要なのでしょう。そんな意味でも、この日の主役の高桑さんの「世の中の学芸員」として、自然保護運動の分野でもさらなる活躍をという参加者の思いに満ちた会でした。
最後に2班に分かれて記念撮影が行われました。そのうちの1枚です。
師走の寒空、横浜駅前は行き交う人の群れで混雑していました。来年こそは少しでも暮らしやすい世の中でありますように!
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