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帰省の帰りにちょっと「越後妻有アートトリエンナーレ2009」へ

ふるさとの母が入院し、見舞いに帰省しました。その帰り道、十日町市を中心に開催されている「越後妻有アートトリエンナーレ2009」に立ち寄りました。第4回大地の芸術祭は、2009年7月26日から始まり、9月13日まで。もうすぐ閉幕になります。

『新潟日報』の広告特集には次のような文章が踊っています。

「越後妻有地域の集落や棚田、森の中に点在する感動的なアート。世界最大級の野外芸術祭『大地の芸術祭』が3年ぶりに、さらに大きくなって開催されます。

40の国と地域のアーチィスト達の作品は約370点。同時に地域を元気にするプロジェクトやイベント、ワークショップなども開催され、アートと人、人と人のふれあいが、心を豊かに耕してくれます。

さあ、元気になりに妻有へいらっしゃい。きっとやさしい時間が待っていますよ」

国道17号バイパスを小千谷市まで進み、国道117号で十日町市に入りました。最初の下条インフォメーションセンターで、第4回大地の芸術祭「越後妻有アートマップ」を100円で購入。地図を開いてみてまずビックリ。2000年~2006年に制作された恒久作品を含めて、およそ370点の作品がポイントされています。

帰り道にちょっと寄り道という芸術祭ではないことはあきらかです。とりあえず、国道117号線に点在する作品のうち数か所を現場で体験して後はガイドブックで追体験することにしました。

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会場近くの里山の風景です。青空に千切れ雲が浮かんでいます。

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№19の作品は加治瑞穂さんの「(Re-Analemma)←White hole→」。ガイドブックの作品解説には次のようなコメントが記されています。

「南中した太陽の光がつくる影の軌跡は一年かけて「逆8の字」を大地に描く。太陽と地球の悠久で無限な運動が紡ぎだすこのループは、緯度と経度に規定されたこの地特有のものだ」

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帰りにこのポイントで店番をしていた地元の若者に冷たい麦茶をご馳走になりました。古材を使ったこの小屋は、地域振興の拠点の一つ。雪国の暮らしを伝える民具が展示され、地元産の野菜や産物を販売していました。

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2つ目は、№27、渡辺泰幸さんの作品「風の音」。地元の子どもたちの作品も多数、風に漂い涼やかな音色を響かせていました。

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直径15メートルほどのサークル状に土鈴が吊り下げられています。風は見えないけれど、風鈴の音と、大気の揺らめきでその存在を人間に伝えています。

「山道を登りながら聴こえてくるのは、風の奏でる山の音」とガイドブックにありました。

3つ目の作品は№28、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーさんの「ストーム・ルーム」です。

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この建物の2階の1室が作品です。ガイドブックの作品解説です。

「夏の夕立に軒下に駆け込む、そんな経験はあるだろう。しかし、この作品では屋根の下でも安心はできない。窓に雷光、木の影のざわめき。見えないものを見せ、感じさせる嵐を起こす」

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この夏の全国各地の豪雨の被害を思うと複雑な気持ちになった作品でした。

街の通りには、若者たちが作品会場を行き来していました。

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4つ目は№33、田島征三さんの作品「鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館」です。ガイドブックの解説です。

「3年前、閉校したときの最後の在校生は3人だった。小学校は絵本美術館として生まれ変わり、彼らは永遠の主人公となってその空間を縦横無尽に飛び回る」

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旧真田小学校は、里山の中腹にあります。

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体育館の作品です。ステージ下のグランドピアノは、製造元の厚意で調律済みで、8月29日には「生きものの目覚め~江尻南美 ピアノリサイタル~」が開かれます。

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教室も廊下も階段も、子どもたちが学び、遊んだ物語が描かれ、いのちが通っています。

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田島征三さんの絵本の数々が展示・販売されていました。

見覚えのある絵本が1冊ありました。我が子どもたちに何十回、何百回となく読み聞かせた『ふきまんぶく』です。子育ての当時は、作者が田島征三さんであるとは認識していませんでした。改めて作者の作品の命の長さを思います。

わずか370分の4の「越後妻有アートトリエンナーレ」でしたが、大地に息づくアートのこころを体験しました。

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