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日本の「チェンジ」、政権交代の意味

2009年8月30日は、後年、日本の現代史のエポックメーキングな日として記録され、人びとの記憶に残るに違いありません。なにしろ、長すぎるくらい続いた自民党政権が、それぞれの「1票の力」によって、初めてその座から転落させられたのですから。まさに日本で起きた「チェンジ」の日です。

政権交代が当たり前のこととして国民に受け入れられているアメリカ合衆国。オバマさんが大統領に選出されたときのアメリカ国民の熱狂ぶりと、新しい大統領の自信に満ちた表情が印象的でした。

周知の通り、アメリカの大統領選挙は、予備選、本選も含め、2年近い歳月をかけて、まさにマラソンのような選挙戦を戦い、勝ち抜いた最後の1人が大統領の座を射止めます。大統領としてのさまざまな資質が、容赦ない国民やマスコミの批判に晒され、鍛え抜かれた哲学や演説力が試されるわけです。

オバマ大統領の揺るぎない視線の先には、国民とともにあるという自負と、核兵器廃絶へのメッセージに象徴される、宇宙船「地球号」に乗り組んでいる世界の国々と渡り合えるという確信があるのだと思います。

ひるがえって、308議席という圧倒的多数を獲得した民主党の鳩山代表の表情は、まるで能面に漆を塗り、自らを押し殺しているような複雑な笑顔です。「勝って兜の緒を締めよ」とは、まさに日本的ですが、日本の選挙史上稀に見る地すべり的な民主党の大勝と、次期内閣総理大臣の渋面は何を意味しているのでしょうか。

それもそのはずで、総選挙の出口調査や新聞・テレビなどのマスコミ各社による世論調査の結果は、必ずしも、民主党が選挙で掲げた「マニュフェスト」がすべて信任されたということではないのです。

「自民党にお灸をすえ、政権交代を実現するために、今回は民主党に投票した」というのです。つまり、国民の信を失えば、いつでも次なる政権交代が起きるということです。

市民感覚からすれば、例えば「高速道路の無料化」と「地球温暖化への対応」などの環境問題は、一見、矛盾しているのではないかとさえ思えます。もっと具体的な施策の内容を説明し、国民の理解と共感を得ると同時に、無料化により中・長期的に何を目指しているのかをしっかりと見せてほしいものです。

とはいえ、政権が交代することで、圧倒的に不足していた政府内部のさまざまな情報を民主党は得ることができます。これまでの2重、3重行政の弊害や行政の無駄遣いを徹底的に排除し、自らのマニュフェストを進化させながら、国民目線で政策の優先順位を決め、予算を組み替え、執行することができるならば、これまでの自民党の惰性の政治とは明らかに違う世界が見えてくることでしょう。

これからの社会を担う若い世代が安心して仕事に就けるという、最低限の社会環境すらいまの日本では不十分です。年間の自殺者は3万人を優に超え、高齢者や社会的弱者は、セフティーネットの網からこぼれ、人びとの心は壊れかけています。

いまやらなければならないことに手をこまねいている訳にはいきません。税金の使い方を根本から捉え直す絶好のチャンスです。

それにしても、一人ひとりの「日本を変えたい」という意識と行動が、今回の政権交代を実現させたのでしょう。官僚でも、政治家でもない、私たち一人ひとりが、世の中を動かす原動力であるという意味を深く肝に銘じたいものです。

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