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水に流せない(?)エコな話

6月3日の午後、名古木の棚田へ1人の営業マンを案内しました。10日ほど前に電話があり、この日、秦野市役所の駐車場で待ち合わせて現地に向かいました。㈱リンフォースの取締役営業部長の小山孝雄さんです。創業者会長の中台光雄さんもご一緒の予定でしたが、体調不良でお出でになりませんでした。

㈱リンフォースは、1994年簡易水洗便器や土壌処理装置、業務用濾過機の製造に長い歴史を持つリンフォース工業㈱の販売部門としてスタート。山岳トイレや里山トイレの普及に努めている会社です。

2003年に「神奈川地域社会事業賞」を受賞したNPO法人自然塾丹沢ドン会では、いただいた貴重な賞金を元手に名古木の棚田の広場にバイオトイレを設置しました。里地のドン会の農作業にトイレは不可欠で、わずかな雨水で機能する簡易水洗のバイオトイレを探していました。この時お世話になったのがリンフォースです。

設置から7年、先月、秦野市にお願いしてバキュームカーで便槽を汲み取ってもらい快適に使うための保守管理を行いました。その際にリンフォースと連絡を取ったところ、1度現場を見たいという話になりました。

農地トイレ「アグリレット」のリーフレットには次のように記されています。

「アグリレットは、農地に置いて、土中に簡単な配管をするだけで、汲取りは(数年から十数年)必要ありません。トイレ使用後、1回当たりコップ1杯分の水で洗浄する、清潔な簡易水洗の、水洗便器方式です。・・・その上、汚水中の栄養価が還元され、農地をより豊かにします」

小山さんは早速トイレの周囲を回り、ドアをお開けて内部を観察し始めました。これまでトイレの写真をしかじかと撮ったことはありませんでしたが、私もこの際というわけです。

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ドン会の活動は半日、1日に及ぶこともあります。名古木の棚田のトイレはなくてはならない基本的な施設です。

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棚田の原のテーブルでしばらくお話ししました。

「きれいに使っていただいています。水を流す足踏みポンプも問題ありません」

トイレの専門家の話は、水に流すことができません。農地用トイレは、廃棄物処理法第17条、施行規則第13条による液肥の供給システムで、設置は農地に限られます。表丹沢・鍋割山荘に設置されている山岳トイレ「サンレット」も実はこちらの製品でした。

小山さんはこの4月に鎌倉にあるリンフォースに来られました。それまでは大阪の関連会社勤め。阪神淡路大震災に遭遇しました。

「車が使えないので、バイクで会社に行き、出社していない社員の家を回って安否の確認をしました。神戸在住の社員の所へも行きましたが、悲惨でした。避難所の仮設トイレもつぶさに見ましたが、とても残念な状態でした。トイレに目覚めました」

電気・ガス・水道が何不自由なく使える都市の暮らし。いったん事が起きれば機能しなくなるシステムばかりです。わずかな水で機能するこの簡易水洗トイレは、これからの時代の要請でもあるのでしょう。

ちなみにリンフォース工業㈱は、「平成21年度ビジネス可能性認定企業」として認定されています。財神奈川産業振興センター発行の『かながわオンリー・ワン企業 ガイドブック2010』には「便器を洗う洗浄水を循環使用する超節水水洗便器を展開する事業」として紹介されています。

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この日の名古木の上空にはノスリが舞っていました。カエルの声が響き、田植えの終わった田んぼの水面を涼やかな風が伝っていました。

水に流せない(?)エコな話でした。

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