木下尊惇さんプロデュース「しあわせの架け橋」コンサート
8月8日(日)午後、秦野市文化会館小ホールで開催された「ラテンアメリカ音楽コンサート」を聴きに出かけました。プロデュースしたのは、秦野市在住の音楽家・木下尊惇さん。
「中南米の人々を考える会」が主催、秦野市市民自治振興課・「東南アジアの人々と共に歩む会」が共催しました。当日のプログラムの「あいさつ」には次のようなメッセージがあります。
「秦野市の外国籍市民は3,586人(平成22年3月末現在)。その内、南米の方々は、約1,500人です。1990年6月、入管法が改正され、日系人に在留資格が付与。就労も自由化され、早20周年です。
そこで、この夏、南米の文化紹介を考え、市内在住の音楽家木下尊惇さんの力を借りてコンサートを企画しました。演目は、ブラジル、ボリビア、パラグアイの音楽ほか、その他の国々にもできるだけ配慮しています。出演者は、それぞれ選りすぐりの演奏家集団です。
皆様とラテン・アメリカの音楽を一堂に会して聞き、共感して喜びを分かち合えれば「架け橋」の一つと考えています」
開演前の長蛇の列。「中南米の人々を考える会」代表の今福清司さんも会場入口でお出迎え。テーマは違っていても秦野でNPO活動を20年続けている今福さんの人となりは伝え聞いています。めったにお会いしないのですが、会えば声を掛けます。
「おめでとうございます。大盛況でよかったですね」
「ありがとうございます。チケットは完売していましたが、この暑さで年配の方々の出足を心配していました・・・みなさんのおかげです。自由席ですので空いている席で楽しんでください」
穏やかな物言い、柔和なまなざし、外国籍の人々とのコミュニケーションの苦労を感じさせない意志の強さを秘めた今福さん。
開演が迫るころには500席近い会場はほぼ満席。南米の国々や人々の歴史・音楽を紹介しながらコンサートが始まりました。
1部、2部に分かれ、ペルー、ボリビア、パラグアイ、ベネズエラ、ブラジル、メキシコ、コロンビアの音楽が25曲。
ギター・チャランゴ・ボーカルの木下尊惇さん、アルパの上松美香さんです。
プロの演奏家たちの研ぎ澄まされた技とマインドに圧倒されました。南米の人々の悲しみや喜びが音楽として伝わってきました。イルマ・オスノ・イジャネス(ボーカル・パーカッショウン)さんの高い歌声が会場を震わせました。
1部を終えた演奏家たち。左から、クラウディア・ゴンサルベス(バイオリン・パーカッション)さん、菱本幸二(ケーナ・シーク・パーカッション・マンドリン)さん、木下さん、上松さん、笹久保伸(ギター)さん。
休憩時間の会場です。
2部の演奏は、渡辺隆雄(トランペット・フリューゲルフォルン・パーカッション)さん、小澤敏也(パーカッション・ボーカル・ビリンバウ)さん、渡辺亮(パーカッション・ビリンバウ)さん、和泉聡志(エレキ・ギター)さんが加わりました。
ブラジルのサンバやメキシコ・ベネズエラ・コロンビア・ペルー・パラグアイ・ボリビアの伝承曲に合わせて手拍子が会場に響き渡りました。言葉の壁を越えて、音楽は世界の共通語だと改めて実感。
木下さんは、出演者の紹介にあわせて、「私とトランペットの渡辺さんは丹沢ドン会のメンバーでもあります」と、音楽の世界と地域における米づくりなどの活動・自然体験がつながっていることをメッセージとして発信しました。
すべての演奏が終わり幕が下りても会場の拍手はやみません。「アンコール!」の声が掛かりました。
会場後方からパンデイロを打ち鳴らす十数名の若者たちが突然入場しました。サプライズの演出に会場のみんなはビックリ。
舞台の上で最後の共演です。木下さんの声掛で集まってくれた演奏家たち。国を越え、人々の心をむすぶ音楽を堪能しました。
さまざまな国の人々が暮らしを営んでいる秦野のまちで「しあわせの架け橋」づくりが始まっていると実感した真夏の1日でした。
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