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暑い夏ふたたび、『戦場のサブちゃんとゴン』の朗読会

暑い夏です。戦後65年、忘れ去れようとする戦争を伝えるために、さまざまな市民の催しが開かれています。

8月5日には神奈川県地域婦人団体連絡協議会が主催の「平和のつどい」が、かながわ県民センターで開催されました。児童・生徒や保護者、婦人団体の会員などが、次世代とともに平和におついて考えました。

その中で、海老名芸術プロジェクトの音楽家・ソプラノ歌手の甘利真美さんは、『満州の星くずと散った子供たちの遺書』『約束』という2冊の本(増田昭一著 夢工房発行)を題材にした歌と朗読をおこないました。

先の戦争で、生きて日本に帰ることのできなかった子どもたちの真実の声、戦争の悲惨を訴えた本を多くの人に伝えたいと、甘利さんはライフワークとして取り組んでおられます。

8月22日(日)には、「戦争を伝える朗読会」の主催で第10回「語りつごう あの日 あの頃~名もなき兵士たちの戦争~」が、東京・有楽町の文祥堂2Fイベントホールで開かれます。

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プログラムの表紙です。その裏にはつぎのメッセージが記されています。

「戦争を忘れないでください

 戦争を知ってください

 戦争に学んでください」

この催しでも、「戦争を伝える朗読会」のメンバーが、名も無き兵士たちの戦争を朗読します。

詩「無言」、『あしあと』より「戦友」、『魂鎮への道』より「BC級戦犯が問い続ける戦争」、『鳥の詩』より「蛍」、戦争出前噺、『偲ぶ草』より「日記、無き子の思い出、兄の死から何を学び取る可きか」。

最後に、『戦場のサブちゃんとゴン』(増田昭一著 夢工房発行)より「ふるさと、突撃!」を同会の小泉靖子さんが朗読します。

『戦場のサブちゃんとゴン』は、ちょうど1年前の昨年(2009年)8月15日に発行しました。この本は、満州(現中国東北地区)における関東軍最後の地上戦「磨刀石の戦い」における兵隊の苦悩と「故郷」への想い、満足な武器もない戦場で、「ふるさと、突撃!」と手榴弾を手に戦車に突っ込んで行った兵隊さんの戦いを描いています。

戦闘に巻き込まれた老人、婦人、子どもたちは、果てしなくつづく満州の原野をさまよい、わが子を捨てたり、手に掛けたりの逃避行。その果てにたどり着いた難民収容所での過酷な共同生活。

子どもたちはつぎつぎと満州の凍土と化しました。生きて日本に帰れなかった孤児たちの中に、サブちゃんと犬のゴンがいました。ゴンは800キロ余りの道のりをサブちゃんを探し求め、奇跡の再会を果たしますが、ふるさとへの思いはあえなく閉ざされました。

83歳の著者・増田昭一さんは、自らの戦争と、ともに過ごしたサブちゃんの体験を重ねあわせ、命を奪い合う戦争の悲惨を涙ながらに書き留めました。

命の限り語りつづけたいという増田さんの想いは、雨だれが石をも穿つように一人ひとりに伝わっていると信じます。

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